2016年01月29日

“学び”≒娯楽 の時代があった?!

読書しない人が増えているのではなくて、根本的に「学ぼうとする姿勢」を持つ人が減っている、それに気づいた。
昨夜のブックオフで購入した一冊の本を読んでいてピンと来たのだ。齋藤孝 著の『なぜ日本人は学ばなくなったのか』がその本。
日本人の元来持っている、勤勉実直さ。これが80年代を境に一気になくなっていったという。つまり、高度成長期の円熟期に入ってきたあたりからになる。(私は1981年生まれなのでなんか複雑な心境でもある…) 考えてみれば、その頃からだろうか、テレビなどの娯楽は完全に行き渡り、ファミコンのブームもやはり同じ年代だなぁ。これと同時期に、いままでの「学ばねばならない」という国民性は徐々に崩れ、「みんな遊べばいいじゃん・堅苦しく勉強する必要なんてないよ」という風潮になってきたのだとか。

思い当たることはある。お店をしていると、実に多くの人に「この人勉強してるなぁ」とか「いろいろ詳しいなぁ」という感情を抱くのだが、
やはりみんな純粋に本を読んでいる・読みまくっていることがベースにあるんじゃないかと考えるのだ。それはひとえに「このことをもっと知りたい!」という“自発的な”動機があるのだろうと思う。そして、日本人は高度経済成長が円熟する前まではその気概をある程度みな一様に持っていたのでは? (少なくとも現代よりはずっとそういうスタンスの人が多かったのでは?) なぜなら、本当に、実に多くの方が各方面の深い知識を有しているからだ。その中には年上の方がそりゃ多いのだけど、やはりいまの自分たちと同じ年代だった頃の勉強量=読書量がまったく違っていたのだろうな(しかもそこには「勉強している」という意識もなかった人も多い気がする)。
私などは、古本屋を始めて、やはり多くの方と触れ合うことで刺激され、「学ばなきゃ!もっと知りたい!!」という欲求に突き動かされたたちで、それまでの自分がうしろめたいし、もったいなかったなぁ…という思いをかなり抱く。大学時代、あんなに勉強する機会が転がっていたというのに。それに気づかない、あるいは気づけない時流があったと思う。(だから学んでた人は逆に大差をつけることができたともいえそう…→後述に関連)
80年代以前の学びスタイルがうらやましい、と言っては「そりゃお前が自発的に本を読まなかっただけだろう!」と言われてしまうだろうけど、やはり時代の違いもあるんじゃないかなぁと考える。80年代以降に“喪失した学びへの気概”はやはり娯楽の多様化の影響があったのか、、

ちなみに、だからなのかもしれないが、若手や同年代の常連さんにも非常に知識や洞察が深い方がおられるのだが、その方々は年上の世代よりもさらに眩しくて仕方がないのである。
でもいまからだって遅くない、と奮い立たせて…というのは嘘で、心から楽しみながらアレコレと深めていってます。自発的な学びはやっぱり何事にも変えられない喜びがありますもの! …でも岩波文庫、、過去の名作がたくさん詰まってますが、あれ、正直言って手ごわいです。。。(あー言ってもうた、恥ずかしい…) 挫折した作品ばかりなんですよね…。。。

【追記】
まだほんの序盤までしかいない段階でこの文章を綴ってしまいましたが、私としては意外な気づきだったので先走って記事にしました。
いったん書いたあと、少ししてゆうべ寝る前に読んだ内容がまた少し蘇ったので追加します。

学ばない世代は現代に近づくにつれ、ますます増えていっているとのこと。最大の理由は、インターネットの普及。これにより、知識を得るのにコストがほぼ必要なくなてしまった。本などを“買って”読む必要性も大きく減り、知らないことはすぐ検索すれば事足りるようになった。これがコスト削減だけでなく、知識を自然と欲する気持ち・楽しみ・喜びもなくしてしまった、と。納得した。
さらにそれが教養を持たぬ人をたくさん生み出している。それは教養だけでなく、日本人の心そのものの喪失でもある。
学ぶ気持ちが薄くなる=教育を施すものへの礼儀・尊敬の念も消え、そこには人を敬う気持ち自体が薄れている。人を敬わないと傍若無人になっていく…。かくして社会のレベルも下がり…  と負の連鎖になっていく、とあった。わかる気がした。街場での道徳心の欠如は私も常日頃からしょっちゅう思い煩っていることばかりだ。。

あと、学ばない人は向上心がない・生きる楽しみもない、というのも頷く。新しくものごとを知るのはメチャクチャ楽しいですよ!ほんとにそう思うのですが。。 本も(漫画や新聞、雑誌ももちろん含め)読まない、映画も見ない、美術館・博物館にも行かない、音楽も聴かない、旅行にも行かない… あまり周囲にそんな方がいないのでわかりませんが、そういう方は“新しく知る”欲求は疼かないのかなぁ?? とどうしても考えてしまいます。

…普段の私自身の思考が如実に反映されている本だったのでかなり私見も書きました。

【追追記】
さらに、本棚の整理・品出しをしていたらあまりにもタイムリーな本がお目見えしたのでここに紹介します。
“読書と教養”について、じっくり述べてあります…。思わず立ち止まって読み込んでしまいました。
“学び”≒娯楽 の時代があった?!



Posted by つばめ at 15:44│Comments(0)
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